手火山家がだしで伝える「日本の心意気」|無添加製法のだしの楽しみ方【Interview】

「だしは昆布より鰹」が文化の名古屋で、400年もの間愛されてきた老舗料亭『河文』。
江戸時代に魚屋として創業し、後に尾張徳川にも認められ、料理屋としての歴史を紡いできました。
そんな料亭と和食の“美学”を、より手軽に楽しんでほしい、そんな思いから生まれたのが、だし専門店の『手火山家』です。
美しい風呂敷で包まれたギフトセットの中には、誰でも手軽に楽しめる無添加のだしつゆとだしパック。
だしと一緒に楽しめる、選りすぐりの乾麺や生米などの食品も取り扱っています。
手火山家の商品には、400年前とは生活も文化も180度変わってしまった現代日本でも楽しめる、だしの魅力がたっぷり詰まっています。
400年の歴史を持つ料亭が醸し出す情緒を、そのまま商品に
料亭『河文』のセカンドブランドとして誕生した手火山家。
『河文』そのものも、建物は当時の建築を残しながら運営されており、その歴史の重みが感じられます。
「河文は江戸時代にその目利きを認められ、尾張徳川にお魚やお料理を献上するほどの実力を持つ料亭でした。
現在は結婚式場としても運営しており、手火山家はその意思を継ぐギフトブランドとして始まったことで、贈られた相手に価値が伝わるものづくりを志しています」
そこで、河文が評価され続けてきた「鰹だし」を定番としながら、だしにまつわる商品を企画。
料亭でも使われている質のいい鰹を原料に、だしパックやだしのつゆなど、バリエーションを増やしていきました。
「河文を訪れると、どんな時期でも四季の移ろいを感じることができます。
お庭に作り込まれた木々や花々、時期によって変わるお飾りや生け花。
そして丹精に作られたお料理を楽しんでみると、日本という国や、文化の情緒深さを感じさせられます。
心穏やかに汁物を口に運んだ時のあの感動を、商品にしたい。そんな思いで生まれたのが、手火山家の鰹だしなんです」
幻の製法で作り出される、繊細な風味と香り高さ
河文のお料理は、江戸時代より脈々と受け継がれてきた味。
特に和食の基本である出汁には、格別の想いが込められています。
手火山家の名前にも冠する通り、鰹だしは「手火山式焙乾製法」という伝統的な製法で作られています。
「手火山式焙乾製法の大きな特徴は、原料を燻しながら仕上げていくこと。
手で熱を測って火を調整していく事から手火山の名前が付いたと言われていますが、職人がつきっきりになる必要があり、とても手間がかかっています」
そうして出来上がる“本枯れ”の鰹節は、他とは比べものにならないほど豊かで繊細な風味に仕上がります。
手間も技術も必要な手火山式焙乾製法は、今や日本でも2箇所しか製造することができなくなってしまいました。
こうして仕上がる鰹節も、まさに幻の逸品なのです。
自然の美味しさを贈る
無添加の極上だしギフト3選
伝統的な製法で作られた手火山家の鰹だしは、もちろん無添加。
ギフトセットに添えられる食品も、鰹と同じく無添加にこだわってセレクトされています。
「手火山家の鰹だしは、どれだけ手間暇かけても無添加で作られているからこそ、唯一無二の繊細な味わいになるんです。
食塩すらも無添加のだしを存分に楽しむため、添える食材も自然由来の美味しさにこだわりました。そんな思いでギフトセットを企画しています」
天然だし 炊き込みご飯の素3種詰め合わせ
(イセエビ・あいち⽜・三河⼀⾊うなぎ)
炊き込みご飯に使う調味つゆと具材を合わせて、3種類をパッキング。
炊飯前のお米と合わせて炊くだけで、あっという間に料亭の炊き込みご飯が完成します。
「だしと調味料のバランスには、もちろん河文が培ってきた知識が生かされています。
しかし、味付けだけでなく具材にもしっかりこだわったのがこの商品です。
イセエビの炊き込みにはホタテ、三河一色うなぎの炊き込みにはゴボウ、あいち牛の炊き込みには生姜。
メインの具材だけでなく、料亭らしくバランスの整った合わせの具材をセレクト。
河文の板長がレシピを考案していて、自宅でも河文の料理をそのまま楽しむことができます」
別注 ⼿延べ素麺セット&天然だし5種詰め合わせ
【贈答⽤】<⾵呂敷包装/組合せギフト>
こだわりのだしパックとセットにしたのは、手延べ素麺の発祥地である奈良の名産・三輪素麺。お湯を沸かして煮出すだけでそのまま使えるだしパックと、冷やし麺でもおいしく楽しめるだしのつゆを加えて、風呂敷で丁寧に包みました。
「手火山家のだしに最も合う素麺を見つけるため、日本全国の素麺を食べ比べた結果、奈良の三輪素麺を選びました。
日本最古の素麺であり、無添加製法で造られる三輪素麺。繊細な風味の手火山のだしを合わせると、家庭料理とは一線を画す上品な季節の風物詩を楽しむことができます。
だしのつゆは砂糖ではなく、最高級のみりんで甘味を引き立てており、他にない味わい深さが好評です。
三輪素麺ののどごしの良さと、鼻に抜ける手火山のだしの香り高さを存分に感じてほしいです」
だしのつゆやだしパックは、素麺の量よりも多めにセットされています。
いしざか農園南⿂沼産「しおざわ こしひかり」&
天然だし定番3種詰め合わせ
【贈答⽤】<⾵呂敷包装/組合せギフト>
手火山家のだしに最も合うお米を探して、全国の米農家の中から直接取引が始まった「いしざか農園」こだわりのお米とセットにしたギフト。
「お米は産地でもなかなか入手できないほど希少な、品種改良前のこしひかりです。
炊き立てはもちろん、冷めても美味しい幻のお米は、その繊細な甘味と手火山家のだしとの相性が抜群です」
おすすめは、だしパックを使ったお味噌汁との献立。
お料理をよくする方なら、お得意な和食おかずのだしに使ってみてください。
日本人は忙しくても、だしを楽しめる
「お料理をしない人だと、もうだしは使わないのかしら」。
そんな質問が、手火山家に寄せられることも。
いえいえ、だしの可能性と汎用性は、想像以上に無限大です。
「お料理をされない方であれば、だしパックを沸かしたお湯で煮出して、そのまま飲んでみてください。
手火山家のだしには食塩は入っていませんが、燻の香りと鰹の風味をダイレクトに感じることができるはずです。
お酒を飲まれた次の日や、外食が続いた日の朝など、少し身体を休ませたい時に飲むと、ほっと一息つけるはず。
味わいが上品なので、どんな時でも飲みやすいのが手火山家のだしの魅力です。
だしをそのまま楽しんでみると、少し自分を大切にできたような感覚を味わっていただけます」
毎日お料理をする時間がなくても、だし汁を作るだけならコンロとお鍋一つで簡単にできます。
「だし汁の魅力に気づいた方は、味噌と野菜を買ってお味噌汁を作ってみてください。
凝った料理を作らなくても、和食の醍醐味を味わえるはずです」
徐々に忘れ去られつつある、和食や家庭料理ならではの味わい深さを思い出してもらうことで、お客様の心を安らげたいーー手火山家のだしには、そんな思いも込められています。
誰かのために作る料理の美味しさを、後世にも
だしは日本料理の基本。だからこそ、だしにさえこだわれば、スキルがなくても美味しい料理が作れることこそが、日本料理の懐深さでもあります。
「忙しい日々を送られているお客様方にとっては、毎日おだしを取って料理を作ることは、決して安易なことではないのだと存じます。
それでも、自分の身体と心を労わる暮らしの暖かさや、誰かのために作る料理の美味しさを後世に伝えていきたい。そんな思いを込めて、だしを作り続けています」
丹精込めて作られた、手火山家のだし。その想いと文化を、暮らしやマインドに取り入れてみませんか?